かつて多くの独身社員やラガーマンたちで賑わった神戸市中央区脇浜町の脇浜寮敷地は、すでに建物の解体工事を完了し、かつての巨大な寮舎の姿は完全に消え去っています。現地を訪れると、敷地一帯は整地が進み、かつての昭和レトロな社宅街の面影はありません。
神戸市中央区脇浜町から灘区にかけてのベイエリアは、阪神・淡路大震災以降に進められた大規模再開発プロジェクト「HAT神戸(東部新都心)」と密接に結びついています。神戸製鋼所の発祥の地である神戸製鉄所の敷地を含め、製鉄機能の集約に伴って遊休化した社有地は、これまでにも兵庫県立美術館、商業施設のブルメールHAT神戸、防災機関、医療施設、そして大規模な集合住宅(マンション群)へと姿を変えてきました。
関係各所や都市計画の動向によると、脇浜寮の跡地に関しても放置されることはなく、防災機能と利便性を兼ね備えた住宅用地や民間開発ゾーンとして順次組み込まれています。周辺のインフラ整備とともに「産業の街」から「職住近接の洗練されたウォーターフロント」への転換が着実に結実しており、往時の重厚な鉄鋼寮の記憶は、地域の新たな都市機能の中へと溶け込んでいます。