そもそも「ヴィーガン」という言葉は、1944年にイギリスでドナルド・ワトソン(ヴィーガン概念創始者)が仲間とともに立ち上げたThe Vegan Society(国際ヴィーガン協会)に端を発する。動物への搾取を可能な限り減らすという倫理的な試みとして産声を上げたこの思想は、80年以上の時を経て、現代では地球環境やウェルネスを含む包括的なライフスタイルへと昇華した。
日本国内においても、長年にわたり草の根で啓発を続けてきた特定非営利活動法人日本ベジタリアン協会などの活動が実を結び、単なるブームにとどまらない確固たる食文化としての地盤が整った。かつては選択肢の少なさに悩まされていた旅行者や生活者が、今や日常の当たり前として豊かなテーブルを囲めるようになった背景には、こうした歴史的な積み重ねが存在している。