ネット上には足や靴の消臭に関する民間療法が無数に出回っていますが、科学的な根拠に乏しい方法や、かえって事態を悪化させる危険なアプローチも少なくありません。
代表的な例が「10円玉靴消臭」です。確かに銅イオンには微弱な殺菌効果(微量作用)が存在します。しかし、汗でびしょ濡れになった高校生の靴の中全体を無菌化するには、靴片方あたり数十枚から100枚規模の新しい10円玉を敷き詰めなければ意味がありません。使い古されて表面が酸化被膜で黒ずんだ10円玉を2〜3枚入れた程度では、気休め以上の効果は期待できないのが現実です。
また、アルコール除菌スプレーの乱用にも注意が必要です。靴の中に吹きかけると一時的に菌は死滅しますが、繊維や中敷きに染み込んだ皮脂汚れや角質(菌のエサ)そのものは除去できません。さらに、足裏に高頻度でアルコールを吹きかけると、皮膚表面の水分と必要な皮脂が奪われ、肌の乾燥を招きます。防衛反応として皮脂分泌が余計に過剰になり、結果としてニオイを強めてしまうケースが多発しています。
もうひとつのNG行為が、軽石や硬いブラシによる足裏の過剰な摩擦です。角質を落とそうと力任せに擦りすぎると、皮膚のバリア機能が破壊され、修復のために角質層がより分厚く硬化します。分厚くなった角質は菌の格好のエサとなるため、長期的な悪臭体質を固定化させてしまいます。