インターネット上のQ&AサイトやSNSでは、「電源スイッチにロックをかけておけば持ち込めた」「モバイルバッテリー用の絶縁シールを貼れば大丈夫」「飛行機対応マークがついているから問題ない」といった危険な誤情報が散見されます。しかし、これらの言説はすべて現場の保安基準の前では無力です。
代表的な誤解が、リチウムイオン電池取り外し不可のモデルであっても「安全装置が付いていれば免除される」という言説です。一部の海外製コードレスアイロンには、通電を物理的に遮断するための安全プラグやフライトモードスイッチが搭載されている製品が存在します。しかし、国土交通省および日本の航空各社が定める現行規則において、例外規定として明記されていない限り、電池自体が本体から完全に分離できない製品は、スイッチの機構や付属キャップの有無にかかわらず一律で輸送禁止対象となります。「海外の航空会社では通過できた」という個別の体験談を日本の空港に持ち込んでも、日本の法基準が最優先されるため通用しません。
さらに警戒すべきは、国際線ヘアアイロン持ち込み制限の落とし穴です。日本の国内線でバッテリーを取り外して手荷物として問題なく運べた製品であっても、渡航先の国や経由地の空港ルールによって扱いが異なるケースが多発しています。例えば、中国や東南アジアの一部の空港では、リチウムイオン電池に定格容量(WhまたはmAh/V)の刻印が擦れて読めなくなっているだけで、保安検査時に問答無用で没収されます。日本を出発する段階だけでなく、現地の復路便検査場でも同様のチェックが行われる点を見落としてはなりません。