白く滑らかなテクスチャーと雑味のないピュアな風味を持つカルピス発酵バターですが、そもそもなぜ「幻のバターと呼ばれる理由」が生まれたのか、その原点は昭和初期にまで遡ります。
大正時代に誕生した乳酸菌飲料「カルピス」を製造する過程では、牛乳から大量の乳脂肪分が分離されます。カルピス株式会社はこの極めて上質で新鮮なクリームに着目し、1963年(昭和38年)に「カルピス特撰バター」の業務用製造を開始しました。しかし、カルピス40本分から作られるバターはわずか1ポンド(約450g)程度という極小の生産量に限られていたため、当初は帝国ホテルをはじめとするトップクラスのホテルや名門フランス料理店向けに出荷されるのみでした。
一般の市場には一切並ばず、限られた一流シェフやパティシエの間だけで「門外不出の極上バターがある」と口コミで囁かれていた歴史こそが、幻と称される最大の所以です。その後、製菓材料専門店などを通じて一般向けにも販路が広がりましたが、現在でも大量生産される一般的なバターとは一線を画す厳格な品質基準が守られています。