1日は24時間、1時間は60分、1分は60秒。かつて人類は地球の自転を基準に天体観測を行い、太陽の動きから1秒の長さを逆算していた。しかし、地球は完全な球体ではなく、潮汐摩擦やマントルの対流によって自転速度が常に揺らいでいる。つまり、天文学的な1時間は、日によって厳密には3600秒からわずかにズレていたのだ。
この曖昧さを断ち切ったのが、国際単位系 (SI)における秒の再定義である。現在、1秒は「セシウム133原子の基底状態の2つの超微細準位間の遷移に対応する放射の周期の91億9263万1770倍に継続する時間」と厳密に規定されている。日本の国家標準時を維持する情報通信研究機構 (NICT)をはじめとする世界の標準時機関では、セシウム原子時計や次世代の光格子時計を駆使し、数千万年に1秒も狂わない精度で時を刻み続けている。