軽度の黄ばみや局所的なシミであれば、高価な専門器具を揃えなくても、ドラッグストアやホームセンターで手に入るアイテムで十分に修復が可能です。紙への負荷を最小限に抑えるため、必ず「乾式(削る・吸着)」から「湿式(溶剤を使う)」へと段階を踏んで処置を進めます。
本の天(上部)・地(下部)・小口(開き口)に蓄積した頑固な黄ばみや手垢汚れには、サンドペーパーで削る方法が極めて効果的です。本を固く閉じた状態で万力やクランプ、あるいは厚手の板でしっかりと挟み込み、ページ間に粉が侵入しないよう固定します。まずは#400前後の紙ヤスリで表面の変色層を均等に研磨し、仕上げに#800〜#1000の極細目で滑らかに整えると、まるで新品のような清潔な断面が蘇ります。
ページ内部に付着した油分や皮脂の黒ずみには、重曹を使った本のシミ取りが力を発揮します。油分を吸着する性質を持つ重曹の粉末をシミの上に薄く振りかけ、上からあて紙をして数時間から一晩置くことで、紙を濡らさずに油分を吸い出せます。また、カビの殺菌やフォクシングの初期斑点には、水分を含まない純度99.5%以上の無水エタノールを用います。綿棒に極少量を染み込ませ、シミの中心から外側へトントンと軽く叩くように叩き出し、すかさず清潔な吸取り紙で挟んで揮発させてください。