横書きで退職届を作成する場合、パソコン(Wordなど)で印字する方法と、手書きで便箋に認める方法の2通りがあります。基本構成は共通ですが、文面全体のバランスや語句の配置には横書き特有の作法が存在します。以下に標準的な例文を示します。
退 職 届
提出日:2026年〇月〇日
〇〇株式会社
代表取締役社長 〇〇 〇〇 殿
〇〇部〇〇課
氏名:〇〇 〇〇 (印)
私儀
このたび、一身上の都合により、2026年〇月〇日をもって退職いたしたく、ここにお届け申し上げます。
以上
この書式を作成するにあたり、押さえておくべき決定的な注意点が4点あります。
第一に、退職理由の一身上の都合の書き方です。自己都合退職の場合、転職先が決まったことや家庭の事情など具体的な詳細を綴る必要はありません。どのような個人的理由であれ、「一身上の都合により」と簡潔に記載するのがビジネスマナーの鉄則です。会社都合退職(希望退職の募集や解雇など)の場合は「貴社、退職勧奨に伴い」といった事実関係を明確に記載します。
第二に、退職届の宛名である代表取締役の表記です。宛先は直属の上司ではなく、自社の最高経営責任者(代表取締役)のフルネームを記載します。役職名は氏名の前に付け、敬称は「殿」または「様」を用います。会社名も「(株)」などと略さず、「〇〇株式会社」と正式名称で記載しなければなりません。
第三に、退職届における私記(私儀/私事)の書き方です。縦書きの場合は行末の一番下に小さく配置しますが、横書きの場合も同様に「へりくだる」意味を込めて、本文の直前行の右端に「私儀」または「私事」と配置するのが正式な作法です。パソコン作成時も右揃えで小さめに配置することで、礼節を保ったスマートなレイアウトになります。
第四に、退職届の印鑑・押印の位置です。パソコン出力であっても自署(手書きのサイン)を添えるのが望ましく、氏名の右横に認印(朱肉を用いるもの)を鮮明に捺印します。シャチハタなどの浸透印は公的文書として認められないため厳禁です。かすれや滲みのないよう、下敷きを敷いて確実に押印します。
手書き作成を選択する場合は、退職届の手書き横書き便箋の選定が重要です。キャラクター柄やビジネスにそぐわない派手な配色のものは避け、白無地または薄いグレーや青の横罫線が入ったシンプルな便箋を用います。筆記用具については、退職届のボールペン・万年筆マナーとして、インク色は黒に限定され、摩擦熱で消えるボールペンは公的書類として一切使用できません。万年筆や、滲みにくい水性ゲルインク、または油性ボールペンを選定するのが適切です。