柏原芳恵のキャリアを語る上で絶対に外せないのが、デビュー初期の大ヒット曲「ハロー・グッバイ」と、卒業ソングの金字塔「春なのに」である。特にシンガーソングライターの中島みゆきが作詞・作曲を手掛けた「春なのに」は、切なくも美しい旋律と情景が浮かぶ歌詞が若者の心をとらえ、日本レコード大賞金賞を受賞するなど彼女の代表作となった。
当時、数多くの80年代アイドルが凌ぎを削る中で、彼女が放っていた異彩は「確かな歌唱技術」と「情感豊かな表現力」にあった。切ない恋心や旅立ちの寂しさを等身大の言葉で歌い上げるスタイルは、時代が移り変わっても色あせない。若手アーティストによるカバー企画やSNSでのバズをきっかけに、今の若者のプレイリストにも当然のように彼女の楽曲が並ぶ現象が起きている。