ネット上で定期的に「貞子の素顔が美しすぎる」と大きな反響を呼ぶ理由は、彼女たちが役を離れた際に見せる華やかな容姿と、その後の目覚ましいキャリア形成にあります。主要なキャスト陣の軌跡を振り返ります。
伊野尾理枝:伝説の「逆再生歩行」を生んだ前衛舞踏家
世界を恐怖に陥れた1998年公開の映画『リング』『リング2』で成人期の貞子を演じたのが、舞踏家・振付家の伊野尾理枝です。彼女は一般的なタレントではなく、前衛舞踏劇団「大駱駝艦」などで活躍した本物の肉体表現者でした。
関節が外れたかのような不気味な揺れや、後方へ歩かせた映像を逆再生して特異な空間歪曲を生み出す演出は、彼女の強靱な身体コントロールがあって初めて成立したものです。映画の熱狂後も舞台芸術の世界を主戦場とし、コンテンポラリーダンスや後進の育成に注力。2020年代以降も独自の美意識を保ちながら芸術活動を継続しています。
佐伯日菜子:妖艶なるカリスマと国際的評価
『リング』と同時上映された1998年の映画『らせん』で貞子を演じた佐伯日菜子は、1994年の映画『毎日が夏休み』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した正真正銘の実力派美少女でした。
『らせん』における貞子は、井戸の底の怪物ではなく、現世に美貌の女性として再生を果たす難役でした。彼女の涼しげな眼差しとミステリアスな佇まいは、観客に恐怖以上の背徳感と魅惑を植え付けました。その後も映画やドラマで個性を放ち、近年では国内外のインディペンデント映画や演劇の舞台で円熟味あふれる演技を披露しています。
木村多江:日本を代表する「薄幸の名女優」への飛翔
1999年の連続ドラマ『リング〜最終章〜』および『らせん』で貞子役を務めたのが、今や日本を代表する名優である木村多江です。
当時はまだ広く名前が浸透していなかった時期でしたが、劇中で見せた狂気と哀愁が入り混じった演技は業界内で大きな話題を呼びました。後に映画『ぐるりのこと。』で第32回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞するなど、繊細で芯の強い女性像を確立。連続テレビ小説や大河ドラマに欠かせない唯一無二のポジションを築き上げています。
仲間由紀恵:『リング0 バースデイ』から国民的大女優へ
貞子のパブリックイメージを「恐ろしい怪物」から「運命に翻弄された悲劇の少女」へと転換させたのが、2000年の映画『リング0 バースデイ』で映画初主演を飾った仲間由紀恵です。
生前の劇団員時代の貞子を演じ、澄んだ黒髪と吸い込まれそうな瞳で圧倒的な存在感を放ちました。直後にドラマ『TRICK』シリーズで大ブレイクを果たし、続く『ごくせん』シリーズで国民的人気を決定づけた経歴は周知の通りです。現在も司会、舞台、シリアスなドラマ主演まで幅広くこなすトップ女優として君臨し続けています。
橋本愛:圧倒的透明感で演じ切った平成後期の美少女貞子
2012年の映画『貞子3D』で貞子の生前および劇中の美しき姿を演じたのは、当時16歳だった橋本愛です。映画『告白』で鮮烈な印象を残し、天才若手女優として脚光を浴びていた時期の抜擢でした。
劇中では恐怖の対象でありながら、どこか神聖さすら漂わせる美貌を披露。その後、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』や大河ドラマ『西郷どん』『青天を衝け』、数々の名作映画で主演を重ね、現代日本映画界を牽引するフロントランナーとして確固たる地位を築いています。