都心の一等地に位置する同院が、数ある大学病院や大病院の中で特別な存在感を放ち続ける背景には、徹底した患者中心の医療哲学があります。長年にわたり院長・理事長を務めた日野原重明氏が提唱した「全人医療(身体だけでなく心や生活背景まで診る医療)」の精神は、現在も医療現場の隅々にまで浸透しています。
同院の危機管理能力と社会貢献度の高さを世に知らしめた象徴的な出来事が、1995年の地下鉄サリン事件における医療対応です。当時、日野原氏の即時決断により全館の外来診療を中断し、礼拝堂やロビーを含む院内スペースを総動員して640人以上の被害者を無制限に受け入れた迅速なトリアージと救命救急の記録は、日本の災害医療の金字塔として語り継がれています。
現在では国際的な医療機能評価機関である「JCI(Joint Commission International)」の認証を継続取得するなど、聖路加国際病院の評判は世界基準の医療安全とプロフェッショナリズムによって強固に裏打ちされています。
一方で、気になる聖路加国際病院の待ち時間については、完全予約制の導入やデジタル問診、自動再来受付機の稼働によって、かつてのような「半日仕事」になるケースは大幅に緩和されています。ただし、重症患者の突発的な処置や、丁寧なインフォームドコンセントを重視する診療方針ゆえに、混雑する診療科や曜日(特に月曜午前・土曜午前)によっては、予約時間から30分〜1時間程度の遅延が発生することも珍しくありません。受診時は余裕を持ったスケジュールを組むことが賢明です。