そもそもこの激しい黄砂現象は、遠く離れたゴビ砂漠やタクラマカン砂漠の強風によって始まります。極度に乾燥した地表から巻き上げられた微細な砂粒は、数千メートルの上空へと達し、偏西風に乗って数千キロもの距離を旅して日本にやってきます。
恐ろしいのは単なる「砂」にとどまらない点です。途中の工業地域を通過する際、工場排ガスや自動車の排気ガスに含まれる汚染物質を吸着します。これが深刻な大気汚染の引き金となり、粒子径が2.5マイクロメートル以下の微小粒子状物質であるPM2.5と結びつくことで、健康への有害性が何倍にも跳ね上がってしまうのです。