2013年5月、すい臓がんのため73歳でこの世を去った。病が判明したとき、既に病状は進行していたが、本人は弱音を吐くどころか、最後までカメラの前に立ち続けることを熱望した。極秘裏に進められた治療と並行し、命を削るようにして演技に没頭した姿は、まさに壮絶の一言に尽きる。
最期の瞬間が近づく中、愛する家族に遺した真意とは何だったのか。それは「役者として最後まで全うできたのは家族のおかげだ」という感謝と、残される妻や子供たちが自分亡き後も誇りを持って生きてほしいという切実な思いだった。最期まで家族に苦痛を見せず、凛とした姿を貫き通した生き様こそが、彼が遺した目に見えぬ最大のメッセージであったと言える。