湯川屋を語る上で欠かせないのが、宿の代名詞ともいえる登録商標の郷土名物「西行鍋(さいぎょうなべ)」です。平安末期の歌人・西行法師が吉野山に庵を結び、桜と自然を愛でた歴史にちなんで考案されたこの鍋は、吉野特産の吉野本葛をふんだんに使用した特製出汁がベースとなっています。
鶏ガラや厳選された魚介からとった上品な合わせ出汁に吉野葛を溶かし込むことで、具材に旨味がしっかりと絡みつく濃厚かつ優しい味わいが生まれます。季節の山菜、大和肉鶏、旬の魚介、地元野菜が葛のヴェールをまとうことで、素材本来の甘みと風味が引き立ちます。鍋の締めとして提供される雑炊やうどんは、葛の保温効果により最後まで熱々の状態で楽しめると評判です。夜の会席コースはもちろん、日帰りプランやランチ食事でも西行鍋を堪能できるコースが用意されており、観光の合間に本格的な味覚を求める層からも絶大な支持を集めています。