かつて緑内障は「高齢者の病」と見なされていましたが、臨床現場では20代・30代の受診者が目に見えて増加しています。若年性緑内障原因として遺伝的素因や発達緑内障が挙げられる一方で、近年のデジタルライフスタイルの過酷化が発症時期を前倒しにしている可能性が指摘されています。
都内のIT企業に勤務する28歳の男性患者が眼科クリニックの手記に寄せた生々しい告白は、現代の若年層が置かれた過酷な環境を象徴しています。
「日中はPCで8時間以上作業し、退勤後もベッドの中で深夜2時まで暗闇の中でスマホゲームや動画を眺めるのが唯一のリラックスタイムでした。ある日、コンタクトレンズの定期検診で『視神経乳頭の陥凹拡大が疑われる』と告げられ、精密検査(OCT)を受けたところ、左目の上部視野がすでに25%近く欠損していると宣告されました。『まさか20代の自分が失明リスクに晒されているなんて』と頭が真っ白になりました。自覚症状は全くなく、ただの疲れ目だと思い込んでいたのです」
SNSや知恵袋等のコミュニティでも、「健康診断の眼底検査で急に要精密検査になった」「暗闇スマホが日課だったことを激しく後悔している」といった20代〜30代の投稿が後を絶ちません。深夜のベッドタイムは、孤独感や日中のストレスを埋めるための代償行動(リベンジ夜更かし)としてスマホに逃避しやすい時間帯です。しかしその代償として支払わされるのが、一生再生しない視神経線維であるという現実に、当事者たちは直面して初めて恐怖を抱くのです。