夏休みの宿題として読書感想文に取り組む際、最大の分岐点となるのが「課題図書」を選ぶか「自由図書」を選ぶかという点です。全国学校図書館協議会(SLA)と毎日新聞社が主催する青少年読書感想文全国コンクール中学校の部では、毎年テーマ性の高い作品が指定されます。
2026年における課題図書選定の大きな潮流として、以下の3つの現代的テーマが色濃く反映されています。
- 多様性と共生社会:障がい、ジェンダー、異文化ルーツを持つ人々との対話と共存
- 環境破壊とテクノロジー倫理:気候変動への危機感や、AIと人間の共生が生み出す葛藤
- 自己肯定感の再構築:SNS社会における承認欲求や孤立感から抜け出すための心の自立
課題図書は社会的なメッセージ性が明確であるため、「作品のテーマ性に対して自分がどう考えるか」という論理的な展開が作りやすいというメリットがあります。一方で、普段あまり本を読まない生徒にとっては文章の抽象度が高く感じられるケースも少なくありません。
読書感想文の本の選び方において失敗を防ぐ黄金ルールは、「背伸びをして難しい課題図書に手を出すより、自分が一気に読み切れる自由図書を選ぶ」ことです。入選作品の審査基準を見ても、本の難易度そのものが加点対象になるわけではなく、「その本との対話を通して、生徒自身がどのような気づきを得たか」が評価の9割を占めています。