高校野球の歴史において、数々の名勝負を生み出してきた「引き分け再試合」。1998年夏の横浜対PL学園(延長17回)や、2006年夏の早稲田実業対駒大苫小牧(延長15回)など、球史に残る激闘が記憶に刻まれている方も多いはずです。
しかし、日本高等学校野球連盟(高野連)は選手の肉体的負担と肩・肘の障害予防を重く受け止め、ルール改定を段階的に推進してきました。かつて延長18回引き分けだった規定は2000年に延長15回へと短縮され、2018年春にはタイブレーク(当時は延長13回から)が初導入。そして2023年春のセンバツ大会からは、現在の「延長10回からの即時タイブレーク」へと一本化されました。
引き分け再試合が事実上廃止された決定的な背景には、投手の過密登板問題と熱中症リスクの増大があります。猛暑のなかで球数が200球、300球と積み重なる事態を防ぎ、投球数制限の趣旨を実効性あるものにするため、早期決着を図るタイブレークへの完全移行が決断されました。