山門を潜り抜けると、日常のノイズが静かに打ち消される。視界に広がるのは、天に向かって伸びる青々とした竹林。風が吹き抜けるたび、さらさらと竹葉がそよぐ音だけが耳に届く。敷地内に足を踏み入れた瞬間、誰もが自然と歩幅を緩め、深呼吸を始めるはずだ。
建築を手掛けたのは、日本を代表する建築家・内藤廣氏。過度な装飾を削ぎ落とした木造の半屋外回廊は、庭園の緑をまるで一幅の絵画のように切り取る。屋内に閉じこもるのではなく、風や光を感じながら過ごすテラス席。この緻密に計算された「余白」の設計こそが、訪れる者に圧倒的な解放感を与えてくれる。