記憶を巻き戻そう。2015年公開の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で、ピエトロ・マキシモフが辿った運命はあまりにも苛烈だった。東欧の小国ソコヴィアで生まれ育ち、人体実験の末に超音速の脚力を手に入れた青年。彼は妹のワンダを守り、罪なき市民を救うため、自らの肉体を盾にして銃弾の雨に散った。
このあまりにも早すぎる退場劇は、観客に大きな衝撃と拭いきれない喪失感を植え付けた。彼の死は、その後のワンダの精神的変遷と暴走を決定づける決定打となったのだ。英雄として散った彼の死線は、シリーズ全体に長く暗い影を落とし続けている。