キメラアントの王・メルエムの声を担当したのは、劇団ひまわり所属の内山昂輝さんです。幼少期から子役として活動し、海外映画の吹き替えなどで培ったリアルで自然体な芝居に定評がある内山さんですが、メルエム役に抜擢された当時はまだ20代前半でした。
オーディションにおいて求められたのは、単なる悪役のドスを利かせた声ではなく、「圧倒的な知性と強大さ、そして感情の揺らぎを表現できる底知れぬ存在感」でした。内山さんは感情を過剰に誇張せず、どこか静けさを孕んだトーンで王の絶対的な支配力を表現。人間を「家畜」と見下す傲慢さと、論理的で怜悧な思考を併せ持つメルエムの輪郭を完璧に捉えたことで、満場一致のキャスティングとなりました。
現場では、人類最強のハンターであるアイザック=ネテロ役のベテラン・永井一郎さん(のちに銀河万丈さんへ交代)と真っ向から対峙。若手とは思えない堂々たる佇まいと凄みのある発声で、歴戦の大先輩たちと息詰まる心理戦の芝居を繰り広げました。