スマホ決済やクレジットカードの普及は、私たちの買い物を劇的に便利にした。しかし同時に、自分が今「いくら払っているのか」というリアルな感覚を麻痺させていることも否定できない。オートチャージされた電子マネーで決済する際、支払額が980円(1000円弱)なのか、1020円(1000円強)なのかを意識する人は少ない。
この「金銭感覚のブラックボックス化」が、「1000円弱って、結局いくらだっけ?」という疑問を抱かせる背景にある。数字の手触りが失われた社会だからこそ、言葉の定義もまた、曖昧な霧の中に消え去ろうとしているのだ。