クラブで圧倒的な実績を残しながら、なぜサムライブルーでは定位置を掴めないのか。「古橋亨梧が代表落選となったのはなぜか」という疑問は、国内外のメディアで繰り返し議論されてきました。日本サッカー協会(JFA)の記者会見や指揮官の発言、戦術アナリストの分析を総合すると、その理由は単純な実力差ではなく、森保ジャパンにおける起用法とチーム戦術の構造的な違いにあります。
セルティックでは、チーム全体が高いボール支配率を保ち、相手ペナルティエリア付近まで押し込んだ状態から、古橋の一瞬の動き出しに合わせて絶妙なスルーパスやラストパスが供給されます。一方、日本代表(森保一監督)の戦術モデルでは、1トップのFWに対して以下のタスクが強く要求されます。
- 空中戦の競り合いとロングボールの収まり(ターゲットマン機能):上田綺世や小川航基が得意とするポストプレー。
- 広範囲な守備プレスと相手CBへの強烈なプレッシャー:前田大然のような圧倒的なスプリント量による守備貢献。
- 孤立した状況から独力で時間を作るフィジカルコンタクト。
古橋は身長170cmと体格的に小柄であり、相手の巨漢CBを背負ってロングボールをキープするタイプではありません。「味方からの質の高いラストパス」があってこそ真価を発揮するフィニッシャーであるため、中盤でパスの出し手が限定される代表戦では持ち味が封じられやすいというジレンマが存在します。これが、古橋亨梧が日本代表に定着しきれない決定的な理由として挙げられます。