今回の騒動で最も人々の記憶に刻まれたのは、会場全体を覆う独特の「違和感」だった。かつて矢沢永吉をはじめとする伝説的なロックスターたちが数々の金字塔を打ち立て、立つこと自体がステータスとされてきた日本武道館単独ライブ公演。しかし、今回空席が目立った話題の公演では、SNS上の高い熱量と実際の客席動員との間に明らかな乖離が存在していた。
「YouTubeの再生回数は数百万回を誇り、サブスクの再生ランキングでも上位常連。数字の上では間違いなくトップアーティストです。しかし、配信の視聴者は『無料なら見る』層が多く、1万円を超えるチケットを購入して会場まで足を運ぶ熱狂的ファン層とは層が異なります」。大手音楽エンタメ誌のデスクはそう指摘する。SNSでの「バズ」がそのまま物理的な動員力に結びつかないという現象が、聖地の客席をスカスカに見せた最大の要因の一つだ。