全国24カ所あるボートレース場の中でも、屈指の狭水面として知られるボートレース戸田。桐生順平の原点は、まさにこの難攻不落の水面にある。コース幅が狭く、1マークの振りが大きい戸田では、通常のターンでは引き波に飲まれるかアウトに流されてしまう。
そこで磨き上げられたのが、舳先を素早く返して艇をコントロールする超絶技巧だ。狭い水面で培われた空間把握能力と反射神経は、全国どの水面に行っても揺らぐことがない。どんなに荒れた水面であっても、冷静に艇をコントロールし、最短距離を旋回する。戸田が生んだ天才は、いまや全国のファンを魅了する万能の覇者となった。