すたみな太郎鯖江店が姿を消すことになった最大の契機は、2020年春に本格化した新型コロナウイルス感染拡大に伴う外食産業の急激な環境変化です。トングやビュッフェ台を不特定多数が共有するセルフバイキング形式は、感染対策の観点から最も強い営業自粛と客離れの直撃を受けました。
しかし、取材を進めると、感染症の流行は「引き金」に過ぎず、それ以前からロードサイド型メガバイキングには構造的な逆風が吹き荒れていたことが分かります。運営元の株式会社江戸一は、郊外の大型店舗を中心に出店を進めていましたが、原材料価格の高騰、人件費の上昇、そして少子化によるファミリー層の消費行動変化が収益を圧迫していました。
同社は経営資源を集中させるため、全国規模で大規模な不採算店舗のスクラップ&ビルド(閉店ラッシュ)を断行しました。ピーク時には全国で100店舗以上を展開していた同グループですが、客席稼働率や賃貸借契約の更新時期、設備更新コストを総合的に精査した結果、鯖江店も整理対象リストに含まれることとなりました。