愛知学泉大学を運営する学校法人安城学園が打ち出した学生募集停止は、場当たり的な判断ではなく、長年にわたる財務分析と将来シミュレーションの果てに下された経営判断です。大学側が公表した基本方針を精査すると、地方・郊外型中規模私立大学が直面する過酷な市場環境が浮き彫りになります。
決定打となったのは、定員割れの恒常化と入学者数の回復見込みの喪失です。日本私立学校振興・共済事業団が発表する私立大学の入学志願動向調査でも明らかなように、近年は愛知県内でも名古屋都心部の総合大学や大規模校への一極集中が加速しました。岡崎キャンパス(家政学部)と豊田キャンパス(現代マネジメント学部)という愛知県三河エリアの中核都市にキャンパスを構えていたものの、通学利便性や学部のブランド力において都心型大学との競合に競り負ける構造が定着してしまったのが実情です。
経営陣としては、債務超過に陥って教育環境が著しく破綻する前に、自力で在学生への教育的責任を全うできるタイミングで募集停止へ舵を切るという、苦渋の「計画的撤退」を選択しました。今後は在学生が全員卒業する年次まで教育・就職支援を継続し、その後は大学組織を閉校・整理するスケジュールが組まれています。