エロスとは?性欲との違いから哲学・心理学が解き明かす愛の本質

エロスとは?性欲との違いから哲学・心理学が解き明かす愛の本質

エロスとは?性欲との違いから哲学・心理学が解き明かす愛の本質とはどんな影響があるのか? 専門的な分析を整理してお届けします。

20世紀に入り、ジークムント・フロイトは精神分析学の枠組みの中でエロスの概念を再定義しました。フロイトは人間の無意識を駆動する心的エネルギーをリビドーと名付け、初期にはこれを性的な欲動として捉えていましたが、後年の理論においてより壮大な枠組みへと発展させました。

第一次世界大戦の惨禍を目の当たりにしたフロイトは、1920年の著作『快感原則の彼岸』において、人間の本能を二項対立の構図で整理しました。それがエロス(生の欲動・生の本能)とタナトス(死の欲動・破壊本能)です。

フロイト心理学におけるエロスは、個々の細胞や人間を結合させ、より大きな統一体を形成して生命を維持・発展させようとする力です。これに対してタナトスは、緊張をゼロにするため生命を無機物の状態へと回帰させようとする破壊的な傾向を指します。人間が文化を築き、他者と連帯し、芸術や科学を生み出す原動力は、すべてエロスがタナトスの破壊性を抑え込み、昇華させた結果であると解釈されます。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。