店内へと足を踏み入れると、駅の喧騒が一瞬で遠のくような感覚を覚える。この独創的かつ温もりのあるインテリアを手がけたのは、建築家の長坂常だ。
アトレ品川という現代的な商業施設の中にありながら、透明感あるガラスの壁面と、温かみのあるタモ材の木目を大胆に組み合わせた空間構成が際立つ。高い天井から注ぎ込む自然光が、白いカウンターを柔らかく照らし出し、そこに漂う香ばしいアロマと相まって五感を心地よく刺激する。ミニマリズムの中に宿る温もり。無駄を極限まで削ぎ落としながらも冷たさを感じさせない空間美は、ただそこに座っているだけで心が研ぎ澄まされていくような感覚をもたらす。