滋賀で浮き彫りになった課題は、決して一地域だけの特殊な問題ではない。日本全国で今、「誰でも無料で自由に楽しめる大型花火大会」の維持が不可能なフェーズへと突入している。首都圏や東海、近畿の主要な花火大会でも、有料観覧席の拡大や立ち止め禁止エリアの全面化が進められてきた。
しかし、全席有料化や完全エリア管理への移行には、巨額の初期投資と厳密なアクセス制御の仕組みが必要となる。広大な湖畔というオープンな空間においては、完璧な入場制限を設けること自体が構造的にきわめて困難だ。無料観覧客を排除しきれず、結果として警備コストだけが肥大化するという構造的課題が、今回の決断の背後に横たわっている。