第4部をサスペンスの傑作たらしめているのは、ラスボスである吉良吉影の特異なキャラクター設計です。世界征服や莫大な富を求める典型的な悪役とは異なり、彼の望みは「植物の心のような平穏な生活」に他なりません。サラリーマンとして目立たず生きる一方で、手の綺麗な女性を殺害し、その切断した手首と疑似恋愛を楽しむという連続殺人鬼の内面は、犯罪心理学における極度の偏執狂(パラノイア)とフェティシズムの典型を示しています。
この吉良吉影 キラークイーン 真相を語る上で欠かせないのが、スタンド能力の段階的な覚醒です。触れたものを跡形もなく爆破する「第1の爆弾」、左手から射出される自律追尾型の熱感知爆弾「シアーハートアタック」、そして絶望の淵で矢に二度貫かれたことで発現した「バイツァダスト(負けて死ね)」へと至る進化は、彼自身の「平穏を脅かされたくない」という病的な防衛本能の産物でした。特にバイツァダストは、吉良の正体を知る人間を介して時間を1時間巻き戻し、運命そのものを爆破・固定化するという理不尽な時間操作能力であり、仗助たちを極限の心理的袋小路へと追い詰めました。
吉良の脅威を際立たせたのは、杜王町に潜む多様なジョジョ4部 敵キャラ一覧の存在です。町を徘徊する殺人鬼アンジェロ(アクア・ネックレス)、スタンド使いを量産した虹村形兆(バッド・カンパニー)、電気と同化して街全体を人質に取った音石明(レッド・ホット・チリ・ペッパー)、他人の恐怖心を紙に封じ込める宮本輝之輔(エニグマ)など、悪意の形は様々でした。しかし、彼らの多くが欲望や金銭のために動いていたのに対し、吉良吉影だけは日常の風景の中に完全に溶け込み、誰もが通り過ぎる隣人として息を潜めていた点に、底知れぬ恐怖の本質がありました。