現代のデジタルイラストレーション環境において標準ツールとなっているCLIP STUDIO PAINTでは、「クリスタ パース定規の設定」を正しく扱うスキルが制作速度と精度を左右します。
多くの作画者が行う「レイヤー > 定規・コマ枠 > パース定規の作成 > 二点透視」というデフォルト操作では、キャンバスの左右両端に消失点が自動生成されます。前述の通り、この初期配置のまま描画を開始すると画角が広すぎて必ず作画が歪みます。
【プロが実践するクリスタ設定手順】
- パース定規作成後、ナビゲーターまたはズームアウトでキャンバス表示を「20%〜25%」まで縮小する。
- オブジェクトツールを選択し、定規全体の「アイレベル(紫色の線)」を目的の高さに移動。
- 左右の「消失点ノード」を掴み、キャンバスの作業枠から大きく外側の作業領域スペースへドラッグして離す。
- 定規の「スナップ」を有効にし、ペンツールでフリーハンドに近い直感的なストロークで歪みのない背景を描き込む。
また、アオリとフカンの構図を二点透視で処理する場合、カメラの垂直仰角・俯角が「おおむね10度以内」の浅い角度であれば、三点目の垂直消失点を設定せず二点透視のまま垂直線を立てて処理した方が、画面全体の安定感が増し建造物の端正な佇まいを表現しやすくなります。