CHEMISTRYが「テレビから消えた」「干された」と一般視聴者に強く印象づけた最大の分岐点は、2012年4月に発表された無期限の活動休止でした。デビュー10周年記念の大規模全国ツアーを完走した直後、突如として公式アナウンスされたデュオ活動の停止は、音楽業界やファンに大きな衝撃を与えました。
当時、一部の週刊誌やネットニュースでは「深刻な不仲による空中分解」「事務所とのトラブル」などセンセーショナルな見出しが躍りました。しかし、のちの復帰インタビューで二人が率直に明かした休止の理由は、もっと本質的で切実なものでした。二人は「デュオとして2人で活動を続けることの難しさを感じていた」「お互いに看板を背負い続けることに限界があった」と語っています。
20代前半の一般人から一夜にして国民的スターへと押し上げられた二人は、自分たちの音楽的アイデンティティを確立する間もなく、メガヒットのプレッシャーと過密日程に追われ続けました。10年間走り抜けた結果、「CHEMISTRYの堂珍」「CHEMISTRYの川畑」という強固なパブリックイメージに縛られ、一人のボーカリストとしての成長や自己探求が窒息寸前に陥っていたのが活動休止の決定的な引き金でした。