なぜ八百重の料理は、これほどまでに根強い信頼を勝ち得ているのでしょうか。その背景には、日本の近代化とともに歩んできた八百重の歴史と、青果物に対する並々ならぬ選美眼があります。
歴史を紐解くと、「八百重」という屋号は、古くは「八百屋の重兵衛」などに代表される青果商の血統を色濃く残しています。公的記録や企業沿革資料によれば、新潟の地で明治2年(1869年)に創業した老舗青果企業「株式会社八百重」のように、150年以上の長きにわたり厳選された野菜やお米の流通を担い、未来へ食文化を伝え続けている系譜が存在します。また、関西圏においても大阪を拠点に業務用野菜や特殊なエディブルフラワー(食用花)の納品・加工で外食産業を支える八百重が知られています。
さらに佐賀県武雄市で武雄温泉駅近くに拠点を構える「八百重商店」のように、地域の台所として旬の食材を用いた手作り弁当や惣菜のテイクアウト・配達を地道に続け、住民の生活を胃袋から支えてきた実力派店舗も存在します。つまり「八百重」の根底には、「土から採れたての野菜の力を知り尽くし、素材の味を極限まで引き出す」という青果商直系のDNAが一貫して流れているのです。