高校受験ナビや偏差値比較サイトで「洛星高校 偏差値」を調べると、一部のサイトでは偏差値63〜70という数字が掲載されています。しかし、教育業界の取材現場や大手進学塾の資料を確認すれば明白な通り、現在の洛星高校において単独の高校入試は一切行われていません。サイト上に残る偏差値は、かつて実施されていた高校募集時代の名残や、中学校入試の偏差値を高校受験の尺度に便宜上換算した推計値に過ぎないのが実情です。
洛星高校が長年続けてきた高校募集停止の理由は、中高6年間を通じた一貫教育カリキュラムの深化と、同校が創立以来掲げてきた教育理念の徹底にあります。かつては高校から約40名程度を受け入れる「高入(こうにゅう)」枠を設けていましたが、高校から入学した生徒が中学からの内進生(約180名)の進度に追いつくためには、高校1年次に膨大な補講と猛スピードの詰め込み学習を強いる必要がありました。
学校関係者への取材や当時の記録によると、聖ヴィアトール修道会が目指す「キリスト教的ヒューマニズムに基づき、心身ともに調和のとれた人格形成」を達成するには、高校受験による分断を排し、6年間かけてじっくりと学問と向き合わせる環境が不可欠であると判断されました。結果として2014年入試を最後に高校募集を完全に停止し、完全中高一貫校へと移行。高校からの編入ルートを断ち、中学受検一本に絞ることで、カリキュラムの無駄を徹底的に排除した高純度の教育体制が確立されたのです。