連載を追うもどかしさなく、結末まで一気に浸りたい読者には、物語が綺麗に完結している名作を強く推薦したい。
筆頭は前述の『大正オトメ御伽話』(全5巻)だ。コンパクトな巻数ながら、起承転結の配分が完璧で、読後の多幸感は他の追随を許さない。続編にあたる昭和初期を舞台にした『昭和オトメ御伽話』へと読み進めることで、時代の移り変わりをより立体的に楽しめる設計になっている。
また、『はいからさんが通る』(全8巻 / 文庫版全4巻)も外せない。笑いあり涙ありのテンポ良いコメディ描写と、時代の荒波に引き裂かれながらも互いを想い続けるシリアス展開の黄金比は、少女漫画史に残る奇跡的な完成度だ。完結作ならではの重厚なカタルシスを求めるなら、まず手に取るべき選択肢となる。