なぜ目が回らない?フィギュアのスピンの秘密とレベル4の絶対条件

なぜ目が回らない?フィギュアのスピンの秘密とレベル4の絶対条件

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毎分300回転以上とも言われる超高速スピンの直後、何事もなかったかのように次のジャンプやステップへと滑らかに移行するスケーターたち。一般人であれば数秒回っただけで立っていられなくなるはずですが、なぜ彼らは平然としていられるのでしょうか。

このフィギュアスケートスピン目が回らない理由の根底にあるのは、人間の耳の奥にある「前庭器官(三半規管)」と「脳(小脳)」の驚異的な適応力です。通常、人間が回転すると三半規管内のリンパ液が揺れ、その刺激が脳に送られて眼球が小刻みに揺れる「眼振(がんしん)」が起きます。これがめまいの正体です。

しかし、幼少期から何万回と回転を繰り返してきたトップスケーターの脳は、三半規管から送られてくる激しい回転シグナルを「危険な異常事態ではない」と学習し、小脳で情報を遮断・抑制する神経回路を作り上げています。さらに、回転中は焦点を無理に1点に合わせようとせず、視界全体をぼんやりと捉えながら「体の軸の感覚(固有受容感覚)」だけで水平と垂直を完璧に把握しているのです。超人的な三半規管の慣れと研ぎ澄まされた体幹感覚の融合こそが、めまいを完全にシャットアウトする真相です。

前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。