災害が少ない県はどこ?2026年最新ランキングと安全な街の真実

災害が少ない県はどこ?2026年最新ランキングと安全な街の真実

災害が少ない県はどこ?2026年最新ランキングと安全な街の真実の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

どれほど広域データ上で災害が少ないと証明されていても、「絶対に安全な県」などという場所は日本列島のどこにも存在しません。ここには、災害心理学で指摘される「正常性バイアス(Normalcy Bias)」の強烈な罠が潜んでいます。

その冷酷な実例となったのが、2018年7月の西日本豪雨における岡山県倉敷市真備町の水害です。高梁川の支流である小田川が合流部の水位上昇によって行き場を失い、堤防が決壊する「バックウォーター現象」が発生しました。真備町地区はそれまで何十年も大きな災害に見舞われておらず、住民の多くが「岡山は災害がない安全な土地だ」という神話を信じ切っていました。結果として避難指示が出ても行動を起こさず、逃げ遅れによって尊い命が失われる悲劇を招きました。

この惨事は、社会学や災害情報論の観点からも重大な教訓を突きつけています。リスクが低い地域ほど、自治体や住民が災害を「自分ごと」として捉える訓練の機会を失い、インフラの更新や避難体制の整備が後回しにされがちです。安全神話というフィルターを通して街を見ることは、自ら生存確率を下げる行為にほかなりません。

さらに、水害リスクが低い県として内陸の高台を選んだとしても、盛土造成地では直下型地震による地滑りや液状化のリスクが残ります。広域の「県」という単位で物事を判断する思考停止こそが、防災における最大の盲点です。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。