ネット上の質問コミュニティやSNSで最も多く散見されるのが、「3作目で命を落としたはずのハンが、なぜ4作目以降にピンピンして登場しているのか」という疑問です。このTOKYO DRIFT時系列の謎には、ハリウッド映画のフランチャイズ戦略と製作陣の熱い想いが深く関わっています。
米ユニバーサル・ピクチャーズの公式プロダクションノートや当時のインタビュー記録によると、もともと第3作は主要キャストを一新した番外編として企画されました。しかし、ジャスティン・リン監督が抜擢したサン・カン演じる「ハン」の圧倒的な存在感と色気が、テスト試写の段階で観客から絶大な支持を獲得します。監督と主演兼プロデューサーのヴィン・ディーゼルは、第4作『MAX』でシリーズを再起動させるにあたり、「ハンをどうしてもファミリーの主要メンバーとして定着させたい」という結論に至りました。
その結果、制作陣は第4作〜第6作の物語を『TOKYO DRIFT』より過去の出来事にするという大胆なタイムラインの再編(レトコン)を決断しました。つまり、ハンが東京へ向かうまでの軌跡を後付けで描いたのです。そして第6作『EURO MISSION』のエンドロール後、第3作におけるハンの事故死の現場が映し出され、事故を引き起こした相手がデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)であったという衝撃の事実が開示されます。ここで7年越しに過去作と最新作の時間軸が完全に一致しました。
さらに、第9作『ジェットブレイク』で明かされたハン生存の真相と理由は、ファンの間で爆発的な反響を呼びました。諜報組織のリーダーであるミスター・ノーバディの工作により、ハン自身の死を偽装して極秘任務に就かせていたという裏設定が判明します。「Justice For Han(ハンに正義を)」という世界的なファン運動が実を結んだこの展開は、時系列を理解していればこそ鳥肌が立つハイライトと言えます。