インターネット上の掲示板やSNSでは、初登場時の傲慢な態度やサイタマに対する強引な勧誘シーンを切り取られ、「フブキは性格が悪い」「顔だけの弱いキャラ」といったレッテルを貼られるケースが散見されます。しかし、物語の緻密なコンテクストを追うと、それらの風評がいかに表層的な誤解であるかが浮き彫りになります。
第一の誤解である「性格の悪さ」についてですが、フブキ組の構成員(マツゲ、山猿、三節棍のリリィなど)が彼女に見せる異常なまでの忠誠心が、その本質を証明しています。当初は数合わせのために集めた部下たちに対し、フブキは次第に深い情愛を抱くようになりました。怪人姫ド・エスによって部下たちが洗脳された際、彼女は自らの身を挺して部下たちを救い出そうと奔走。怪人協会地下での絶望的な状況下でも、決して仲間を見捨てないリーダーシップを発揮しています。傲慢な仮面は、傷つきやすい内面を覆い隠すための脆弱な鎧に過ぎなかったのです。
第二の誤解である「強さ」についても、原作WEBコミック(ONE版)と村田雄介版(となりのヤングジャンプ連載)の描写の差異を理解する必要があります。村田版において、フブキの戦闘力と知略は大幅にブラッシュアップされました。特に怪人協会壊滅作戦においては、重傷を負ったヒーローたちの生命維持・治癒を促す後方支援を担当し、さらには凶暴な巨大怪人「ポチ」を一時的に手なずけるなど、戦局を左右する決定的な働きを連発しています。「単独での街破壊能力」だけを強さの指標とするならS級には及びませんが、「集団戦における司令塔兼サポート役」としての総合スペックは、プロヒーロー全体で見ても上位数パーセントに位置する実力者です。