多くの家庭で最も悩まれているのが、「仏飯はいつ下げるべきか」という引き下げのタイミングです。夕方や翌朝まで供えっぱなしにしてしまい、お米が黄色く固まってカピカピになってしまう光景は珍しくありません。
仏教の教えにおいて、仏様やご先祖様が召し上がるのは食物の物質そのものではなく、立ち上る清らかな香りである「香食(こうじき)」とされています。したがって、湯気が立ち消えたタイミング(供えてから約15分〜30分程度)で下げるのが儀礼上も最も正しい作法です。
お供えしたご飯を長時間放置して乾燥させたり、腐敗させたりすることは、食べ物の命を粗末にすることにつながり、仏教の「不殺生」や「感謝」の理念に反します。朝のお勤めやお参りを終え、自分たちが朝食をとるタイミングで一緒に下げるのが、衛生的にも作法としても最も理想的なサイクルです。