日本の夏は、明らかに変わってしまった。7月7日の晴天率は全国平均で3割未満。もはや「七夕は雨が降るもの」という認識すら定着しつつある。織姫と彦星が天の川を渡れず、悲しみの涙が雨になるという「催涙雨(さいるいう)」の解釈も、現代の豪雨災害の前では少々ロマンチックが過ぎるかもしれない。
だからこそ、雨の日に二人のために翼を広げて橋を作る「カササギ」の存在が、現代人の心に強く響く。物理的に星が見えないのであれば、想像力と技術でその障壁を乗り越えるしかない。そんな逆転の発想が、いま日本各地で静かな熱を帯びている。