後任として白羽の矢が立ったのは、実力派の小山力也氏だった。洋画の吹き替えや重厚な役柄で知られていた彼が、あの「ヘボ探偵」をどう演じるのか。世間の目は冷ややかだったかもしれない。しかし、小山氏は神谷氏の模倣に走ることはしなかった。
小山小五郎がもたらしたのは、より現代的で、少しスタイリッシュな「渋み」だ。コミカルなシーンでの突き抜け感は残しつつも、シリアスな場面での低音の響きは、キャラクターに新たな大人の色気を与えた。この交代劇は、結果として作品に新たな風を吹き込み、長寿番組としての寿命を大きく延ばす契機となったのである。