歩行時の骨盤痛は、筋肉の張りだけでなく特定の疾患が引き金になっているケースもあります。痛みの特徴や発生部位から、考えられる代表的な3つの病態を確認しておきましょう。
まず疑われるのが骨盤のつなぎ目にある関節の炎症です。仙腸関節障害症状の特徴は、骨盤の後ろ側、ちょうどお尻の上部あたりにある「上後腸骨棘(出っ張った骨)」周辺にピンポイントで痛みが出ることです。歩行の踏み込み時だけでなく、椅子から立ち上がる瞬間や寝返りを打つときにもズキッと痛む傾向があります。
次に、40代以降の女性に特に警戒が必要なのが股関節の摩耗です。変形性股関節症初期症状では、足の付け根(鼠径部)やお尻の外側、太もも前部に違和感やこわばりが生じます。「歩き始めに足の付け根が痛むが、しばらく歩くと少し楽になる」「階段の上り下りで骨盤周りがズキズキする」といったサインが見られる場合、股関節の軟骨摩耗が疑われます。
さらに、電気が走るような鋭い痛みが下半身に走るなら神経障害の可能性が高まります。坐骨神経痛歩くと響く状態は、腰椎椎間板ヘルニアや梨状筋症候群によって神経が圧迫され、歩行の振動が骨盤から太もも裏、ふくらはぎへと放散痛として響いている典型的な状態です。