本作が昭和から平成、令和の現在に至るまで色褪せない理由は、巧妙に設計されたリリックとサウンドデザインにあります。
歌詞の意味を深く読み解くと、単なるバケーションの楽しさを歌っているのではなく、「終わってほしくない青春の輝き」と「いずれ訪れる別れへの予感」という二面性が巧みに描き出されています。大人へと変化していく途上にある少年少女のモラトリアム(猶予期間)を「夏休み」というメタファーで表現し、刹那的な眩しさを永遠に閉じ込めたいという切実な願望が根底に流れています。
当時のおニャン子クラブ本体が解散へと向かう過渡期において、ユニットの中心メンバーであった工藤静香の圧倒的なボーカル力と存在感は際立っていました。音楽関係者の証言や当時の音楽誌インタビューでも、後藤次利が手掛けたプログレッシブなコード進行とスラップベースが、アイドルの楽曲としては異例の音楽的深みを与えていたことが高く評価されています。
アニメ作品との相乗効果も見逃せません。『ついでにとんちんかん』が描く日常のドタバタ劇は、「日常が永遠に続いてほしい」という視聴者の無意識の欲求とリンクしていました。オープニング映像でキャラクターたちが躍動する姿とシンクロした楽曲は、当時の小学生からティーン層にかけて強固な原風景として定着したのです。