ネット上の考察や視聴者の間で長らく議論されてきたのが、「アンナチュラルにおいて宍戸は直接の犯人だったのか?」という疑問です。
結論から言えば、アルファベット順に女性26人を殺害した直接の実行犯(黒幕)は不動産屋・高瀬文人(池田鉄洋)でした。しかし、宍戸の罪深さは実行犯以上に重いものと言えます。宍戸は高瀬が最初に起こした殺人に気づいた際、警察に通報するのではなく、高瀬の歪んだ支配欲と殺害衝動を巧みに肯定。「AからZまで26文字すべてをコンプリートしろ」とそそのかし、殺害方法の助言を与えながら、それを題材にした独占手記『殺人コレクター』を出版して名声を得ようとしていたのです。
さらに最終回(第10話)直前、自らの関与を隠蔽するために宍戸が取った行動は、視聴者を戦慄させました。中堂が長年探していた最後の決定打である「夕希子の口内に残された犯人のDNA」を消し去るため、宍戸は自宅兼作業場にあった証拠のプラスチックケースや口内組織を硫酸(強力な劇薬)に浸して完全に融解・処分しました。証拠隠滅罪の成立を恐れるどころか、法医学の限界をあざ笑うかのように薬品を操る姿は、まさに人間の心を失ったサイコパスそのものでした。