そうか病の野菜や果物は食べられる?毒性の真相と原因・決定打の防除法

そうか病の野菜や果物は食べられる?毒性の真相と原因・決定打の防除法

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収穫した作物が無残なかさぶたに覆われていたとき、誰もが抱く疑問が「この作物は食べても健康に影響がないのか」という点です。結論から申し上げますと、そうか病に罹患したじゃがいもや柑橘類は、毒性物質を一切生成しないため問題なく食べられます。

農林水産省や各都道府県の農業試験場が公表している病原解析データによれば、そうか病の病原微生物が宿主組織に作用する際、植物の表皮細胞を異常増殖・木質化させる物質(タキストミンなど)は分泌されますが、これは植物ホルモン様の生理活性物質に過ぎません。哺乳類の細胞膜や中枢神経を破壊するようなカビ毒(マイコトキシン)や細菌毒素を産生する能力は持っておらず、経口摂取による急性毒性や発がん性は確認されていません。

ただし、食べる際には明確な調理上の注意点が存在します。

じゃがいもの場合、病変部は表皮から深さ数ミリ程度のコルク層にとどまります。包丁やピーラーでかさぶた部分を通常よりやや厚め(2〜3mm程度)に剥ぎ取れば、内部の可食部(柔組織)の食味や栄養価は健全な芋とほぼ変わりません。ただし、病変部から雑菌が二次侵入して内部が軟化・腐敗しているものや、土壌から露出して緑化した部分(ソラニンやチャコニンといった天然毒素が蓄積した箇所)は厳密に削ぎ落とす、あるいは廃棄する判断が不可欠です。

一方、レモンやみかんなどの柑橘類においても、病斑は果皮の外果皮(フラベド)にとどまり、じょうのう膜や果肉(砂瓤)に病原菌が到達することはありません。生食や果汁の搾汁には何ら支障をきたしませんが、レモンピールやマーマレードのように「果皮を丸ごと加熱調理して消費する用途」には適しません。病変部は苦味が強く、口当たりが著しく悪化するため、外皮の利用は避けるのが賢明です。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。