制作の現場やコミュニティ(SNS、知恵袋、クリエイター掲示板)を調査すると、ひよこフリー素材の評判や手軽さの裏で、思わぬ落とし穴に巻き込まれた事例が多数報告されています。特に2024年から2026年にかけて急増しているのが、ライセンス条件の誤認によるトラブルです。
都内の広告代理店に勤務するグラフィックデザイナー(34歳・男性)は、当時の現場の混乱を次のように語ります。
「クライアントのWebサイト制作で、無料配布されていた可愛いひよこの透過素材をアイコンとして使用しました。『商用利用フリー』と記載されていたため安心していたのですが、リリース後に素材の著作権者から直接連絡が入りました。規約の深層ページに『商用利用であっても、クライアントワーク(制作受託)への流用は別途ライセンス購入が必要』という特記事項が小さく記載されていたのです。最終的にクライアントへ謝罪し、素材の差し替えとライセンス追加購入で数万円の損失が発生しました」
また、教育機関やお便り作成の現場でもトラブルが見受けられます。PTA広報誌の作成において、ネット上で見つけた「卵とひよこイラスト」を無断でスキャン・転載した結果、地元イラストレーターのオリジナル作品であることが発覚し、印刷物の全量回収を余儀なくされたという苦い実例も確認されています。「ネット上で拾える画像=自由に使える素材」という誤った認識が、現場に甚大な実務負荷をもたらしているのです。