「いつでも行けば見られる」と思い込んで堂ヶ島を訪れると、高い確率で失望を味わうことになります。三四郎島のトンボロ現象には、明確な旬の時期が存在するためです。
結論から言えば、旅行計画を立てるべきベストな時期は3月から9月にかけての春・夏季です。これには地球と月、太陽の位置関係による潮汐の年周変化が深く関係しています。伊豆半島沿岸を含む太平洋側では、春から夏にかけて「日中」に最も潮が引く大潮が現れます。一方、10月から翌年2月にかけての秋・冬季は、1日の中で最も潮位が下がる時間帯が「夜間から深夜」へと移動してしまいます。冬場は昼間に潮位が下がりにくく、30cm以下という条件を満たす日が極端に少なくなるのです。
さらに重要なのが、現地に滞在すべき渡れる時間の割り出しです。トンボロが出現するのは、1日2回ある干潮時刻のうち、昼間の最大干潮時刻を挟んだ前後約1時間(合計約2時間程度)に限られます。
例えば、潮見表で「干潮時刻 12時30分・潮位15cm」と記録されている日であれば、安全に歩行できる時間枠は11時30分から13時30分頃までとなります。最干潮を過ぎると、目に見えるスピードで潮が満ち始めます。渡ることに夢中になって島側で長居をしていると、わずか30分ほどで帰りの道が濁流のような白波に覆われ、陸へ戻れなくなる事態に陥ります。現地を訪れる際は、最干潮時刻の30分前には瀬浜海岸にスタンバイしておくのが鉄則です。