連載当時のジャンプ本誌掲載時や、アニメ放映初期のネットの反応を検証すると、この言葉に対する評価は現在と大きく異なっていました。
SNSやネット掲示板(5ちゃんねる等)のログを辿ると、初登場時の2017年前後は「高校生の部活なのに寂しすぎる」「ドライすぎて感情移入できない」「青春を否定しているみたいで怖い」といった困惑の声が散見されました。多くの読者が、スポーツ漫画の醍醐味である「仲間と共有するかけがえのない思い出」を否定されたように受け取ったためです。
しかし、物語が進行し、敗戦後に黒須監督が放った「昨日の敗者 今日何者 経緯」が明かされるにつれて、評価は180度反転します。敗北を受け止め、前を向く選手たちに向けられた「昨日まではもう過ぎた。昨日の敗者は、今日何者になれる?」という問いかけ。そして大人になった宮侑や宮治、北信介たちの後日談が描かれるに至り、ファンの間では「最も背中を押してくれる名言」「仕事で失敗した時にこの言葉を思い出す」という深い共感の声が主流を占めるようになりました。
過去に縛られず、失敗を必要以上に悔やまず、かといって過去の実績にふんぞり返ることもない。この極めて自立したメンタリティは、変化が激しく過去の成功パターンが通用しない現代のビジネスパーソンや受験生の心に、強力な処方箋として定着しています。