「子猫差し上げます」という募集を出す側、つまり子猫を譲る側にとっても、想像を絶する危険が待ち構えています。それが「里親詐欺」と呼ばれる犯罪的行為です。手口の真相は社会的な闇を映し出しています。
代表的な詐欺目的には以下の3つが存在します。
- 転売・繁殖目的:無料で引き取った血統書風の子猫や容姿の整った雑種を、別のプラットフォームで「有償譲渡」と称して販売したり、劣悪な環境で自家繁殖させたりする。
- 虐待愛好者による搾取:SNSの地下コミュニティや動画配信のために、抵抗できない子猫をターゲットにして引き取りを繰り返す異常者。
- 爬虫類の生餌目的:大型の肉食爬虫類や猛禽類を飼育する者が、高価な冷凍餌の代用として無料の子猫を詐称して収集する。
彼らは清潔な身なりで現れ、「先代の猫を亡くして寂しい」「家族全員で可愛がる」といった同情を誘う手記のようなエピソードを巧みに語ります。知恵袋やSNS上でも、「まさかあんなに優しそうな人が」という被害者の悲痛な叫びが後を絶ちません。
こうした悪意から子猫を守る最大の防壁が、譲渡誓約書の書き方と効力を正しく理解することです。法的に実効性を持つ譲渡誓約書には、以下の項目が必須とされます。
- 身分証明書の相互確認とコピーの保管
- 完全室内飼育の徹底および脱走防止策の実施
- 適切な時期の避妊去勢手術の義務化と報告
- 定期的な写真付き近況報告の義務(最低1年間)
- 虚偽申告や虐待が発覚した場合の即時所有権移転(猫の返還)条項
- 重大な契約違反に対する違約金条項
契約書は民法上の契約(負担付贈与契約)として成立し、裁判規範性を持ちます。「書類の作成は面倒」「そこまで疑うのは失礼」と躊躇する保護主は、詐欺犯にとって格好の標的となります。「誓約書の取り交わしを拒否されたら、その時点で譲渡を白紙に戻す」という鉄則を徹底しなければなりません。